映画紹介

リスベットを好きになる残虐非道の事件簿ドラゴンタトゥーの女を解説

  • スウェーデンの推理小説を原作としたハリウッド映画
  • ある一族の謎の究明を依頼された雑誌記者が龍の刺青が入った天才女ハッカーと共に事件を捜査していくミステリー作品
  • 第84回アカデミー賞編集賞受賞
  • 残虐シーン、性的描写を多く含む
  • 一族の謎と猟奇的連続婦女暴行殺人事件が関りをもつ
  • 決して家族で観るものではない、ひとりで観るべき映画
  • この記事では事件の真相こそ避けているもののネタバレが含まれます。ご注意ください!

#21 ドラゴン・タトゥーの女

基本情報



原題 The Girl with the Dragon Tattoo

2011年アメリカのミステリー映画

監督 デヴィッドフィンチャー

出演 ダニエルクレイグ/ルーニーマーラ

上映時間 158分

2009年スウェーデン映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」の後に作られた作品。

本作の監督デヴィッドフィンチャーは言わずと知れたヒットメイカーです。有名作品に「セブン(1995年)」「ファイトクラブ(1999年)」がありますが本作も含め、共通点として作画が暗いです。(サムネイル画像はAmazonから引用してます)


あらすじ

スウェーデンを揺るがせた財界汚職事件の告発記事を書きながら名誉棄損裁判で敗訴したミカエルは意気消沈の日々を送っていた。ある日、彼のもとにスェーデン有数の財閥ヴァンゲルの元会長ヘンリック・ヴァンゲル老人から家族史編纂の依頼が舞い込む。実はヘンリックの真の目的は40年前に起きた親族の娘ハリエット失踪事件の真相究明だった。ヴァンゲルはハリエットが一族の誰かに殺害されたと信じていた。40年前に一族が住む孤島から何の痕跡も残さず消えた少女。成功の陰に隠された一族の血塗られた過去に気づくものの手がかりの掴めないミカエルは、一族の弁護士から天才的な資料収集能力の持ち主であるとして、ある人物を紹介される。リスベットという名の、顔色が悪く、拒食症患者のように、がりがりに痩せた女。この小柄な女の肩口から背中にかけて、龍の刺青(ドラゴン・タトゥー)が異彩を放っていた。

引用元:Amazonプライムビデオ「ドラゴン・タトゥーの女」より

「ドラゴン・タトゥーの女」の魅力①ダニエルクレイグが作る普通の有能記者

本作の主人公は私の好きな俳優の一人です。有能でありながら名誉棄損で敗訴してしまった雑誌記者ミカエルをダニエルクレイグが演じてます。ミカエルは”自身が勤める雑誌の編集長と不倫関係ということ”以外は至って普通の人です。

不倫のことはラストシーンを観るまでは一切気にならないほど本作は異常な人で溢れかえっています。ミカエルに捜査依頼をしたヴァンゲル一族は人を寄せ付けない雰囲気をもっています。捜査の助手として雇ったリスベットはぶっ飛んでるし、弁護士は変態だし。

目を背けたくなる猟奇的な事件や変態弁護士の存在により観てる人を置いてけぼりにしてしまいそうですが、それを食い止めてるのがミカエルの存在です。

彼と共に一族の謎を解明しましょう。

ダニエルクレイグは今では007のジェームズボンドのイメージが強いですが、眼鏡をかけた普通のおじさん役も、無様に吊るされる役も絵になります。

たまたま居ついた野良猫に対して呼び名がまさかの「cat!」

「ネコ~!」

野良猫に「ネコ」って名付けたんですね(‘ω’)

基本的に温厚なミカエルはこの野良猫絡みでしか大声を出しません。

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「ドラゴン・タトゥーの女」の魅力②本格ミステリー

既にスウェーデンにて映画化されてるにもかかわらずハリウッドが手を出した気持ちはわかります。それほど一族の事件は闇が深くミステリー映画としても魅力的です。クライマックスはハラハラさせられます。

「ドラゴン・タトゥーの女」の魅力③ルーニーマーラ演じるリスベット

※これ以降ネタバレ注意

本作最大の魅力はルーニーマーラ演じる”ドラゴンタトゥーの女”リスベット・サランデルにあると思います。かわいらしい女性のイメージだったルーニーマーラは本作ではパンクスタイル。ガリガリの体型にピアスに龍の刺青。内向的でヘビースモーカー。どう見たって変わっている。異常者と言われてもおかしくない情報収集に長けた天才女ハッカーリスベットを見事に演じています。また、何度も裸になるシーンがあり体を張って本作に臨んでいます。

リスベットを語るうえではずせない話として映画始まって間もないところでリスベットは変態弁護士に手錠を掛けられ暴行されます。これは個人的に相当ショッキングなシーンです。

変態弁護士は暴行後リスベットに対し「家まで送ろうか?」

もう意味がわからないです。それは後ろめたさからくる優しさなのか?なんなんだ?

しかしリスベットは、後日何倍にも返して報復します。このシーンは音が不快です。そして二度と逆らえなくします。

そんなリスベットの心情の変化をミカエルの仕事の依頼を受けるところから振り返ってみましょう。

「女殺しの犯人を見つける」

リスベットの自宅にてミカエルが仕事の依頼にきたシーン。このとき女性と寝ていたリスベットは女性を帰らせ、ミカエルを警戒してスタンガンを忍ばせていましたがこのミカエルの一言で目の色が変わり、依頼を引き受けます。

「今は安全よ」「いい考えじゃない」

ミカエルが何者かに命を狙われた夜、ミカエルの前に立って声を掛けるリスベット。この後大胆に下着を脱いだためミカエルは驚き一瞬は拒んだもののリスベットを受け入れます。

「あなたとの仕事 好き」「僕も そうだよ」

ミカエルとリスベットの寝起きの会話です。このときの二人の距離感が恋人という感じではなく自然体で出たセリフだったことに共感しました。ただ、リスベットが「好き」という言葉を発したことが意外でした。

「もっと触ってて」

ネットでターゲットの監視をするリスベット。その後ろでリスベットの背中を撫でながら状況を聞くミカエル。進展がないことに不安を覚え手が止まったときに言ったリスベットの言葉。

おじさんはもう胸キュンですね。

最初の頃と差がありすぎていろいろなギャップにやられます。

「殺していい?」

とうとう犯人を見つけ出した二人。逃げる犯人に対しリスベットはすぐに追いかける訳ではなくミカエルに犯人を殺す許可を取ってから追いかけます。

物騒な言葉もリスベットが言うと違和感ないです。むしろちゃんと許可取って偉くなったねえって...

うーん、私の方がおかしくなってきてる気がします(-_-)

「友達ができた とても立派な人 幸せよ。」

リスベットがミカエルのことを伝えるシーンです。

本作は長い映画ですがラスト10分で畳みかけるようにリスベットを好きになる要素を集めています。

ミステリー映画ですがリスベットの変化を楽しむ映画でもあります。

まとめ・感想

好きな俳優ダニエルクレイグと体当たり演技で注目を集めたルーニーマーラのミステリー映画「ドラゴン・タトゥーの女」の魅力を紹介しました。

作品は家族で観ることはできないし、女性の同僚にすすめることもなかなか難しいものがあります。

それでもストーリーは秀逸で出演者の演技に引き込まれる映画であること間違いありません。

終わり方は賛否分かれるでしょうけどリスベットの魅力はじゅうぶんに伝わると思います。

 

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