予告(*画質は荒いです)
軽快な音楽をバックに誰からか逃げてるシーンから本作は始まります。
イギリスの青春映画の決定版ですね。トレインスポッティングの意味は本来電車オタクのことをいいますが特定の場所に留まる意味もあるため本作の原作者はヘロイン中毒者のことを指しています。”未来を選べ”というキャッチコピーの本作をじっくりと見どころの紹介をします。(サムネイル画像はAmazonから引用してます。)
- スコットランドを舞台にしたキャラの濃い仲間たちの青春物語
- 薬物にハマりなかなかやめられない主人公レントンとその仲間たちは軽犯罪を繰り返し救いようのない暮らしをしているがそんな若者の日常をポップにかつ斬新な映像で描いてる
- ヘロイン中毒の若者たちの怠惰な暮らしがいい大人から観ると不快かもしれません
- 薬物、犯罪、セックス、喧嘩の描写は観る人を選ぶでしょう
- かっこいいな、この映画おもしろいと思ったあと映画の悪影響を受けずによし、自分はちゃんとしよう!と思えたら大丈夫。それぐらいダメ人間をかっこよくみせてる映画
#11 トレインスポッティング
基本情報
1996年イギリス映画
監督 ダニー・ボイル
主役 ユアン・マクレガー
若者を中心に人気の出た作品。ユアン・マクレガーの出世作でこの映画のポスターも注目を集めた。
あらすじ
ヘロイン中毒の若者レントンはスコットランドのエディンバラで仲間と怠惰な生活を送っていた。なかなかヘロインを絶つことができず窃盗、万引きを繰り返し逮捕されてしまう。これをきっかけにレントンは更生を決意。ロンドンで就職をする。しかしそこへかつての仲間ベグビーが押し掛けてくる...
これからの時代、出世、家族、テレビ、洗濯機、車、健康、おしゃれ、…人生に何を望む?
トレインスポッティングの見どころ ①キャラの濃い出演者
出演者がとにかく濃い。ほぼダメ人間の集まりですが性格もビジュアルも様々なので覚えやすいでしょう。
レントン
本作の主役。薬物中毒者で薬物を何度もやめようとした、あるいは一時期やめたがまた戻ってしまう。基本的には友達思いで頭の切れる部分もある。怠惰な暮らしをしているが変わろうとしている。
ベグビー
短気のアル中。薬物はやらないが喧嘩中毒者。いちばんたちが悪い。
シック・ボーイ
薬物中毒者。007マニアの色男。
スパッド
気のいい薬物中毒者。
トミー
いちばんまともな人間に見えたがレントンのとある行動から破滅の道をたどる。
ダイアン
レントンがクラブで誘った女性。
トレインスポッティングの見どころ ②禁断症状の描写
主役が薬物中毒者の物語で不幸なエピソードが続き正直救いようのないストーリーですが、それをここまでおもしろい映画にできたのは役者の存在はもちろんのこと軽快な音楽をはじめ、斬新な映像を使うことによって映画の世界に引き込まれるからかと思います。
スコットランドで最悪のトイレ
トレインスポッティングで有名なシーン。レントンが汚いトイレで体外に出してしまった座薬を再度使うために便器に手を入れたかと思えば顔を突っ込み最終的には便器に全身入り、海のような広いところへ繋がり水中を泳ぐシーン。
映画とはいえ、自分が排泄した後の便器に手を入れるなんて想像するだけで吐き気を催しますが、トイレの中を泳ぐとこまで描かれるとあまりのくだらなさとさすがに現実の話ではないんだなということでちょっと安心します。数分の短いシーンですが緊張と緩和があり強く印象に残ります。ただその後レントンはびしょびしょの状態で部屋に帰ってきます。
あれ、
現実だったのか( ゚Д゚)
薬物の禁断症状
薬物による快楽と禁断症状を表現したシーンは怖かったです。
床が沈む→天井が遠ざかる→壁が動く→歌声が聞こえる→BGMのビート音が心臓の鼓動のようにも聞こえ→次々にレントンの仲間が出てくる→天井を歩く赤ちゃんが向かってくる
赤ちゃんてかわいいもののはずなのに天井を逆さに這いずってるだけで超怖いです。
薬物中毒者にこのようなものが見えてるとしたら発狂してもおかしくないと、経験もないのにリアルに感じました。
なぜ薬物中毒者の映画がかっこよく見えるのか
主役を演じたユアン・マクレガーはやっぱりかっこいい。あんなにどうしようもないジャンキーなのに。本作は薬物を摂取するシーンが多い。かと言って薬物を軽視してるわけでもなく依存症の怖さをしっかり伝えている。エイズの感染、禁断症状、薬物から離れることへの難しさ。この映画は考えれば考えるほど救いようがないストーリーなのに映像と音楽によってかっこよく仕上げられています。スタイリッシュという言葉がよく似合います。
イカれてるよベグビーさん
「ベグビーはイカれてる。でも友達だから仕方ない」
同じようなセリフを仲間であるレントンとトミーが呟きます。でもほんとにイカれてます。ドラッグに手を出していないのに喧嘩中毒で一番ぶっとんでます。そもそも喧嘩中毒ってなんだ?定期的に誰か殴らなきゃ気が済まないのでしょうか。しかしながら本作において間違いなく名脇役で、彼がいなければもっと暗い映画になってました。そんなベグビーのエピソードをいくつか紹介します。
初登場シーン仲間とフットサル
いつもの仲間5人とチームになりフットサルをします。相手チームの一人がボールをキープしてると背後から足を目掛けてスライディングタックル。見事足に直撃し倒れた相手を横にして満面の笑みをさらすベグビーさん。映画を観始めた方々への軽い挨拶ですね。
飲み屋での乱闘
仲間と吹き抜けになってる店の2階で飲んでるとき、ベグビーさんは”トミーとビリヤードをして勝った時の話”を自慢げに語っています。
実際にはこのビリヤードの勝負はベグビーさん”勝っていません”。。。レントンの言葉を借りるとあくまでもベグビー版の話です。
そして話し終えたあと喧嘩中毒の禁断症状なのか飲み干したジョッキを故意に1階へ投げます。
1階では別の団体客が飲んでます。まったくの赤の他人です。ジョッキは女性に直撃。
ベグビーさんはこの女性を狙ったわけではありません。誰でもよかったのです。
彼は喧嘩のきっかけが欲しかっただけです。
女性はジョッキが顔面に当たり出血して悲鳴を上げ、あたりは騒然。
ベグビーさんは落ち着いて常に携帯しているナイフをテーブルにおき1階へ降りていきます。はい、ベグビーさんナイフは基本常備してます。。あくまでも喧嘩なのでこういうとき武器は使わないということでしょうか。
「よーし。その女にグラスをぶつけたのはどいつだ?」と団体客の前にベグビーさん登場。
階段の近くにいた大柄な男が「おまえ誰だ?」と言ったとたんに
「イイェーーー!」
発狂して相手の股間を蹴り上げます。
もう意味がわかりません( ゚Д゚)
仲間が2階で茫然とする中ベグビーさんは1階で他人と大乱闘。もはや自爆テロじゃないですか。
更生してロンドンにて就職したレントンの自宅に忍び寄る影
薬を絶ち、働き始めたレントンとは対照的にベグビーさんは宝石店の武装強盗により指名手配。
レントンの自宅に逃げ込んできます。と言ってもこんな時でさえ強気です。
当たり前のように居つくのでした。「煙草を買ってこい」「もっとうまいビールを買え」といって部屋の床に吐き捨てます。たまったもんじゃないですよね。
あるときは「馬券を買ってこい」と命令してひとり競馬のテレビ放送に熱くなりまた
「イイェーーー!」
絶叫して予想が的中した喜びを爆発させます。このときのベグビーさんの表情はもはや顔芸の域。部屋の外までだだ漏れ。部屋のドアの前でレントンはあきれ顔です。これでも指名手配された逃走犯です。
ベグビーのエピソードはこんなものじゃないです。一部紹介させていただきましたがもっと見たくなりませんか?
感想・まとめ
今観てもかっこよくておもしろい映画です。
2017年には続編も公開されましたね。根強い人気があるのは間違いないと思います。散々な日々でしたが最後は前向きになれる作品かなと思います。エンディング曲もかっこいいです。中毒者のめちゃくちゃな世界を見せられてからあなたはどんな人生を選ぶのかと問われてる気がして意外と大きなテーマだったのかもしれません。
今の若者にも突き刺さるものがあるのではないでしょうか。オビワンも昔はジャンキーだったのかと思ってしまうほどユアン・マクレガーの代表作ですね。ニヤリと笑えるシーンもたくさんあります。トレインスポッティングぜひご覧ください。